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今夜の番組チェック

お互いの言い分



今日からこれでアホみたいなこと言いまくろうと考える
「…を是非お願いしたく…」
謁見中。
ジェイドは不細工な男の話なんて聞いてはいなかった。
ただ愛しい自分の王様の横顔を見ていた。
王様は椅子に腰掛けて凛然とした表情でその男の話に耳を傾けている。
そしてちらりともこちらを見はしない。
『まだ怒ってるな…』
あまり表情には出さないがプラチナが怒っているのはジェイドにはわかっていた。
何しろ怒らせたのは自分だ。
朝から謁見があるから今晩はダメだというプラチナを、我慢できずに抱いてしまった。
だからプラチナは朝から機嫌が悪い。
朝から最低限の口は聞くものの、それ以上は話しかけてこないのだ。
「…話はわかった。検討する」
短い言葉でプラチナが話を終わらせる
。 男は満足そうな笑みを浮かべると一礼して退室した。
「これで今日の謁見はおしまいです。プラチナ様。」
「…そうか」
謁見の終わりをジェイドが耳元で告げてもプラチナはふいっと
横を向いて短く一言答えるだけ。



『…俺は駄目だと言った。駄目だと言ったんだ』
プラチナは謁見の間を出て執務室に戻るために広い廊下をずんずんと歩いていた。
プラチナは怒っていた。
自分の後ろをすたすたとついて歩いている参謀に。
予定より二時間遅れで始まった謁見。
別に誰も気にはしないかもしれないが、その遅れが昨日の出来事を皆に知らしめているようでとても恥ずかしい。
反省しているのか、していないのか。
さっぱり判断できないジェイドの謝罪の言葉。
『どうしてこいつはいつも人の話を聞かないで好き勝手にするんだ』
プラチナの怒りは中々おさまりそうもなかった。



「まーだ怒っているんですか?」
結局一日中プラチナはにこりともしなかった。
「…当たり前だ」
それでも答えはしたのだから、朝ほどは怒っていないのだろう。
いい加減に意地を張りつづけるのに疲れたのかもしれなかった。
「すみませんでしたって何度も謝っているじゃないですか」
「誠意がない!」
「…そう言われましても…困りましたねぇ。」
明日は二人そろって休みの日。
近頃では珍しい一日の休みで、ジェイドとしては今のうちにプラチナの機嫌を直して欲しいところだった。
「プラチナ様の嫌がることはもうしませんから。許してください。ね?明日の休みのために仲直りしましょうよ」
「明日…休みだったか…」
休みと聞いてプラチナが少しだけ怒りのボルテージを落したのがジェイドにはわかった。
ジェイドはここぞとばかりに畳み込む。
「えぇ。ね?仲良く二人で休みましょうよ。街へ行きますか?それとも二人でゆっくりと過ごします?貴方の好きなようにしましょう。駄目ですか?」
「…わかった。明日は街に行こう。本当に俺が嫌なことはするなよ。駄目だからな?」
「わかってますよ。プラチナ様。…仲直りのキスは?駄目ですか?」
「…好きにしろ」
「ありがたき幸せ」
プラチナは笑ってジェイドのキスを受け入れた。



「プラチナ様ー。怒らないでくださいよ」
『俺は嫌だって言ったのに。嫌がることはしないと言ったばかりのその口でよくも…』
プラチナはまたも怒っていた。
ジェイドの仲直りのキスがだんだんと深いものに変わった時、プラチナはちゃんと言った。
「明日は街に行くんだから今日は駄目だからな」
二日続けてするのは辛いのだとジェイドに告げた。
ジェイドは「わかってますよ。嫌がることはしませんから」と言っていた。
それなのに…。
気がついたら服をはだけられて、身体を弄られていた。
「ダ…駄目だっ」
プラチナが制止してもジェイドの手は止まることなく好き勝手なことをした。
ジェイドはいつもこうだ。
なんだかんだ言って自分の好きなように自分を扱う。
「プラチナ様。機嫌直してくださいよ」
「…」
なんと言われてもプラチナは許すつもりはない。
「あーぁ」
とジェイドは大仰にため息をついた。
ため息をつきたいのはこっちだ!とプラチナは叫びたいところだった。



『でもね、貴方もいけないんですよ。貴方が俺を誘うんですから』
プラチナが聞いたら烈火のごとく怒るだろうことをジェイドは心の中で呟く。
表情や立ち振る舞い。
軽い息遣いやほのかに香る髪の匂い。
そんないなものまですべてがジェイドの心を揺さぶるのだ。
『それに…本当に嫌がってることはしてないつもりなんですけどね。俺は』
プラチナは素直じゃないから。
口で『イヤ』と言ってもそれが本心でないことは多々あるし。
さっきだってプラチナは本当に嫌がっているわけではなかった。
潤んだ瞳で「今日は駄目だから」と言われても本気になんて取るわけがない。
だからそのまま肌に触れたのだ。
プラチナの中にある駄目だという心と、いいという心。
二つの心があるなら自分に都合のいい方を優先する。
それが当たり前なんじゃないだろうか。
だから自分だけが悪いわけではない。
同罪だと。
ジェイドはそう信じて疑わない。

お互いの言い分は平行線でいつまでも交わることはない。




おしまいでございます vv




なんというか…なんでございますな(謎